補足説明1: プレ生成ツールポスト生成ツール

 開発者A,B などが“業務仕様を実現するプログラム部分”を作成し、開発者C などが“操作等の仕様を実現するプログラム部分”を共通に作成するという分割専門開発方法には、機械化のレベルに二段階がありました。つまり、“操作等の仕様を実現するプログラム部分”を人間が人手で作成するか、あるいはプログラム生成ツールに作成させるかという二つです。

 いずれにしても、開発の順序としては、次の二つが考えられます。

 ・ プレ支援 (開発者C またはプログラム生成ツールなどが作成したプログラムに、開発者A,B などが手を入れて、つまり“業務仕様を実現するプログラム部分”を付け加えて、業務アプリを完成させる)

 ・ ポスト支援 (開発者A,B などが開発した業務に関するプログラムに、開発者C またはプログラム生成ツールなどが手を入れて、つまり“操作仕様を実現するプログラム部分”を付け加えて、業務アプリを完成させる)

 開発者A,B などにとっては、ポスト支援の方が気楽で、手間がかからないので、断然都合がよいといえるでしょう。

 このような開発の順序 (プレ支援かポスト支援か) に着目すると、プログラム生成タイプのツールは、次の二つに分類できます。そして、開発者A,B などにとっては、ポスト支援を行なうポスト生成ツールの方が気楽で、手間がかからないので、断然都合がよいといえるでしょう。

 ・ プレ生成ツール (コピー推奨型再利用を行なってしまうツール)

 ・ ポスト生成ツール (コピー排除型再利用に近い考え方のツール)

 

<プレ生成ツールとは>

 プレ生成ツールは、例えば VB5VB6 のアプリケーションウィザードのように、先ずはじめに生成処理があって、その後でアプリ開発者の方が手を入れるものです。即ち、プレ生成ツールで生成したプログラムコードは、アプリ開発者が解読して手直しすることが必要です。

 プレ生成ツールは、基本的に、ひな型プログラムを数多く用意しているのと等価です。即ち、プレ生成ツールへのパラメタの組み合わせの数だけのバラエティのひな型を生成するものだといえます。

<ポスト生成ツールとは>

 ポスト生成ツールは、例えば弊社のプログラム生成ツールのように、アプリ開発者の方が記述したプログラム (部品) を解析して、それに相応しい生成を行うものです。つまり、先ずアプリ開発者の方がプログラム (部品) を記述して、その後 (即ちポスト) に生成処理が行われます。ですから、ポスト生成ツールの役割は、プログラム (部品) を“糊付け”することであるという表現がピッタリくると思います。

 例えば、弊社のプログラム生成ツールでは、高級イベントルーチンという形のプログラム (部品) の規格を決めてあります。そして、その規格に合わせてアプリ開発者の方が Visual Basic でプログラミングしさえすれば、後の“糊付け”は生成ツールがうまくやることになります。

<アプリ開発者の責任と負荷>

 プレ生成ツールにおいては、ツールが生成したコードも含めて全てをアプリ開発者の方々の責任において完成させなければならないのが普通です。ですから、アプリ開発者の方々は生成されたコードの内容を解読して理解することが必須です。

 これに対して、ポスト生成ツールにおいては、ツールが生成したコードの多くはブラックボックスであって、アプリ開発者の方々は知らなくてもよいという特徴があります。

<再生成時の作業負荷>

 プレ生成ツールにおいては、再生成を行うということは、もう一度はじめから開発作業やり直すことを意味します。

 一方、ポスト生成ツールにおいては、再生成は、はじめから開発作業やり直すことではありません。非常に簡単な作業であり、日常的に行われる作業です。

 たとえば、ポスト生成ツールへのパラメタを変えて再生成することなどは作業負荷が全く気になりません。また、高級イベントルーチンという形のプログラム (部品) を付け加えて、その後で再生成することなどもしばしば行われる軽い作業だといえます。

<ポスト生成ツールとアプリ開発者の役割分担>

 こう見てくると、糊付けをして全体のまとまりを付けるのは、ポスト生成ツールの役割だということもできます。これを逆方向から見ると、ポスト生成ツールが糊付けできるような部品を取り揃えるのがアプリ開発者の役割であって、うまく部品を取り揃えると、後はポスト生成ツールに仕事をさせて、意味のある業務をこなす業務アプリに仕上がるということができます。

 

 

 

 

 



Copyright (C) 1995-2000 By AppliTech, Inc. All Rights Reserved.